今日は少し肌寒くとても秋らしい気温だった。やっと長袖が着れるようになった。そしてやっと汗をかかなくなった。


 秋には様々な名字がつく。
「スポーツの秋」「読書の秋」「食欲の秋」「ほしのあき」。
四季の中でも秋が一番楽しいし、過ごしやすい。
しかし、そう思ったのは高校を卒業してからである。


僕は体育祭が大嫌いだった。何が楽しいのかがわからなかった。
体育祭での良い思い出が一つもない。
中学校の時は、全員リレーという文字通り謎に全員参加というリレーがあった。当時中学一年生の徳山少年はなぜ故に全員走らなければならなかったのかが理解できず腹を立てていた。しかしたった一人では学校側が定めたルールを変えることなんてできるはずもなかったため受け入れざるを得なかった。
そして、リレーの順番決めが始まった。クラス代表だからという理由でアンカーに抜擢された。当時気弱な僕はNOと言うことはできなかった。僕は知っていた。その時はお祭りだから遅くても大丈夫と言うが、いざ本番で抜かされたらA級戦犯になることを。
僕は雨よ、降れと強く願った。てるてる坊主も逆さに吊るした。神にも拝んだ。
そして、当日。



 過去一で晴れた。漫画みたいに晴れた。もう快晴すぎて笑っちゃった。
絶望しながら学校に向かい、淡々とプログラムが進み、遂に全員リレーの時がきた。
共に走るアンカーのメンツはサッカー部か野球部か陸上。
もう詰み。
勝ち目ゼロ。
しかし、選ばれたからには全力で走ろうと心に決め、順番を待った。
気づけば、もう後3人にまで迫っていた。
その時、僕は異変に気付いた。
僕のクラスが一周遅れの状態なのだ。おかしい、一周遅れなんかしていないのに。そのため一人ずつズレていき、最終的に僕は取り残された。まさかのアンカー走らず。
意味がわからない。なんか向こうは盛り上がってるし。他のクラスはともかく、うちのクラスは俺がおらんことに気付けよ!!
後にわかったことだが、普通一人半周なのにも関わらず、ある子が一周走ってしまったために起こったアクシデントだったのだ。
最悪の体育祭。親にアンカーって言ってたし。ズッコケ。
しかも、その時に流れてた音楽は皮肉にも関ジャニのズッコケ男道。
歴史を作っちゃったのだ。


この季節になると毎年頭にこの時の光景がよぎる。当時は辛かったけど、泣いちゃったけど、今となっては良い思い出。

ここで一句

おとうさん
踏んでますけど
僕の足

あざした。